お会計で小銭は何枚まで使える?制限はあるの?

カウンター

おカネには法令上さまざまな決まりがある

法令により、日本の通貨は「円」と定められ、その通貨は「貨幣」と「日本銀行券」と定められます。
このうち日本銀行券とは、1,000円札、2,000円札、5,000円札、10,000円札の各紙幣のことで、独立行政法人国立印刷局が作り、日銀が買い取って日本銀行法を根拠法令として発行し世の中に流通させる通貨です。

これは日本の法定通貨ですので、日銀の判断で発行数量が定められるとともに強制通用力をもち、基本的に期限なく有効です。
これに対する貨幣は、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨の6種類と閣議決定により発行が決められる記念貨幣があります。
こちらは日本政府が独立法人造幣局が作り、財務大臣(政府)が「通貨の単位及び貨幣の発行等・・・(略)」の法令に基づいて発行・流通させています。

貨幣については使える枚数が決められている

貨幣に関しては1度の取引で使える数量が定められており、その根拠法令は「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」で「貨幣の通用限度」として「貨幣は額面の20倍に限り通用する」と明確化されています。
つまり、100円硬貨や500円硬貨は20倍までしか通用できませんと決められているのです。

確かに、30万円の買いモノであれば、1万円以上の額面がないので1万円札30枚で支払うしかありませんが、500円硬貨を集めて600枚で払われたら受け取る側は数えるだけでも大変です。
万が一、トラック満載で小銭を持ち込まれたら数えるのに数日かかりっきりになってしまいます。
20倍という規定はこうした不合理を排除して取引がスムーズにできる様にとの趣旨で設けられたものです。

もちろん通用しないというのはあくまでも法律が定めているわけですから、20倍までであれば支払いを受ける側は断れないという意味ですので、おカネとして無効という意味ではありません。
もし相手が承諾するのであれば枚数に限度なく使えるという事です。

20倍の規定は貨幣の種類ごとにカウント

この20倍の規定を具体的に適用するときのポイントは、「額面価格の20倍」の考え方で、「小銭の使用は20枚が限度」ではありません。
100円硬貨であれば20倍の2,000円、加えて500円硬貨を20枚で10,000円という具合に各種類の硬貨ごとに使えるということです。

ですので、理論上の計算では6種類の貨幣を20枚ずつで120枚の貨幣13,320円が使用可能で相手は受け取りを拒否できないという事になります。
そうはいっても現実的には、混みあっているコンビニやスーパーなどのレジで財布いっぱいの小銭を取り出して一枚一枚、数えながら支払うのは、双方とも手間で、もう少しのところで額が不足でもすれば大ひんしゅくを買ってしまいそうです。
小銭は貯金箱に貯めていき、貯まったら銀行や郵便局で預貯金をして少しずつでも貯蓄に回すことをおススメします。