賃貸事情は国によって異なる
日本の賃貸物件は、敷金と礼金、毎月の家賃を支払うのが一般的です。
敷金や礼金は管理会社や大家さんによってルールが異なり、それぞれ1か月分や2か月分という規定がされていたり、敷金のみ2か月分を支払ったりという様々なパターンがあります。
日本ではこれが当たり前のシステムであり、誰もが知っているルールですが外国ではそうではないことも多いのです。
隣の国である韓国も、日本とは賃貸事情が異なり、日本にはないシステムも存在しています。
韓国の賃貸システムのチョンセ
韓国の賃貸事情として「チョンセ」「ウォルセ」というものがあり、これは独特の制度です。
韓国では一般的な制度であり、賃貸物件の多くがこの制度を利用しています。
日本では敷金は補償金としての役割が強いです。
建物の補修や未払いの家賃の補填として当てられるものですが海外では契約終了と同時に全額が返金されるのが定番です。
チョンセという制度は、契約時にまとまった補償金を支払うことで毎月の家賃の支払いが必要ないという制度がとられます。
入居時に契約をする際、居住期間を決めることで保障金を支払います。
例えば、10000ウォンで2年間物件を借りるという契約がされると、入居時にまとめて10000ウォンを支払います。
その後、2年間住み続ければ、2年後の退去時には最初に支払った10000ウォンが返金されるため家賃が戻ってくることとなり、無料で住んだことになるのです。
もちろん物件が気に入ってそのあとも住むことができます。
その際には再度契約をしていくことになります。
このように無料で住むことができるのには仕組みがあります。
大家さんはチョンセの補償金を用いて資産運用をしています。
まとまったお金が入ることで最も利用されるのが銀行に預金する方法です。
韓国の銀行は金利が高く、補償金が入ることで預金をすればそれだけである程度の利益が出せるようになります。
この利益のおかげで家賃を受け取っていることと同じくらいの利益が得られるので、保証金を返金しても家賃同様の利益が得られるのです。
このチョンセというシステムが日本には導入されないのは、日本では金利が韓国ほど高くないためです。
チョンセを導入しても、日本では赤字になってしまいます。
韓国の賃貸システムウォルセ
ウォルセというシステムは日本のの家賃システムと同じものです。
毎月の家賃を支払うのは日本と同じですが、韓国の場合には、家賃を支払ってもチョンセのような保証金は支払います。
チョンセを払う額が多くなるほど、月の家賃は値下がりするというシステムは韓国ならではです。
もちろん、契約時に預けた保証金はチョンセと同じように返金がされますし、もしも家賃の未払いが発生すれば、この保証金から支払われます。
